ピンクの付箋近辺を読んだ。( 3 )


fsが『ネグレクト』を読んで残したキーワード。

最後は『連携ミス』

真奈ちゃんは、1997年11月20日に生まれた。

真奈ちゃんが殺されたのは、2000年12月10日。

3歳だった。

段ボールの中に入れられたまま、ほとんど食事も与えられずに、
ミイラのような状態で亡くなった。

真奈ちゃんが、ネグレクトで餓死するまでにも、
雅美、智則の育て方には問題点が山ほどあった。

公的機関が関わる機会も山ほどあった。
厳密に言うと、いくつかの公的機関が関わっている。
しかし、真奈ちゃんの死を防ぐことができなかった。

真奈ちゃんは、父親智則の暴力により、急性硬膜下血腫で手術を受けている。
餓死する前にも、病院との接点はあった。

病院は、虐待の発見に非常に大きな役割を果たすと考えられている。
特に、時間外に大きな怪我をして連れてこられ、親の説明が子どもの状態と合わない場合、虐待を受けていないかどうか注意深く観察する必要がある。
当時、真奈ちゃんの診察をした医師は、明らかに真奈ちゃんの症状と雅美の説明が噛み合っていないと感じながらも、それ以上雅美に原因を尋ねなかった。

真奈ちゃんの1歳半健診の時、保健センターは、真奈ちゃんの発育が遅れていることを把握し、継続的に見ていく必要があると判断している。
そして、保健師は児童館で行われる遊びの教室に来るように誘ったり、雅美たちの家にも訪問している。

その後、保健師は上司に相談し、児童相談所に連絡を取っている。
児童福祉司と保健師の話し合いが行われた。
しかし、ここで判断を誤っている。
雅美が拒絶していた、智則の母親、聡子の存在が助け船になると判断してしまった。
保健師は、児童福祉司が関わったことで安心してしまった。

児童相談所の方は、保健センターの保健師が雅美たちと関わっていることで油断していた。

保健所も雅美たちのことを知る機会があったが、保健センターや児童相談所が既に介入していることで油断していた。
真奈ちゃんが病院に入院した経歴があること、痩せていて育児放棄されているという情報は持っていなかった。


これだけ、複数の機関が真奈ちゃんの育っている環境が異常であることに気づきながら、
さらに踏み込んだ介入をせず、各機関がばらばらに動き、連携がほとんど取れていないことに憤りを感じる。

真奈ちゃんの死後、2005年4月から、児童虐待防止法と児童福祉法が改正された。

現在は、2016年。
各機関の虐待に対する認識は変化しているとは思う。
しかし、現在もなお、虐待は増え続け、虐待で殺される子どもがいる。

私が虐待の取材をしていただいた長谷川さんから、
ある機関を教えていただいた。

『子どもの権利擁護センターかながわ』という機関だ。
この機関は、真奈ちゃん事件のように各機関がばらばらにならず、1つの機関の中で子どもの状況などを把握できるようなシステムになっている。
この機関を立ち上げるまでに、約20年近くかかったそうだ。

最後に、長文になるが、この機関の特徴を紹介しておきたい。

子どもの権利擁護センターかながわ(CACかながわ)

平成27年2月7日、当法人は『子どもの権利擁護センターかながわ』(CACかながわ)を開所いたしました。この設立のために、当法人会員 内海裕美様はじめ、多くのみなさまからご寄附を賜り、誠にありがとうございました。『CACかながわ』の設立には、みなさまからのご寄附とともに、独立行政法人福祉医療機構(WAM) 社会福祉振興助成金とFIT (Financial Industries in Tokyo) 支援金も活用させていただきました。

子どもの権利擁護センター(Children’s Advocacy Center: CAC)とは、子どもが虐待・ネグレクトなどの人権侵害を受けたり、DVや犯罪を目撃したりして、子どもから事情を聴かなければならない場合に、その子どもがそこに行けば、調査・捜査のための面接(司法面接)と全身の診察を受けられるワン・ストップ・センターのことです。

CACは、性虐待などの被害を受けた子どもにトラウマ・フォーカスト認知行動療法などの専門的な心理ケアを提供したり、子どもが警察署や地方検察庁、裁判所などに行かなければならないときに同行して子どもと非加害親をサポートするアドボケイトを派遣したりします。

『子どもの権利擁護センターかながわ』には、2台のビデオカメラを備えた「司法面接室」、専用の診察台とコルポスコープを備えた「診察室」、さらに、「観察室」が設置されています。
「観察室」は「MDTルーム」とも呼ばれ、児童相談所職員・警察官・検察官で構成される多機関連携チーム(MDT)が、モニターを通して司法面接を観察し、マイクを通して診察の様子を傍受します。
MDTメンバーが必要とする情報を司法面接者が聞き取っていない場合、MDTメンバーが司法面接者に電話で指示を出します。これによって、1回の司法面接で、MDTメンバー全員が必要とする情報を聴取することができ、子どもの負担軽減と証言の信憑性の維持に役立ちます。

米国のNational Children’s Allianceは、以下の10項目をCACの基準として挙げています。
1.多機関連携チーム(MDT)が集える部屋
2.文化的多様性への配慮
3.司法面接の実施
4.被害者支援アドボケイトの派遣
5.系統的全身診察の実施
6.カウンセリング・心理療法・精神療法
7.ケース検討
8.ケースのフォローアップ
9.健全な組織運営
10.子どもを中心に置く配慮

『子どもの権利擁護センターかながわ』は、2.と9.の2項目を除き、すべての条件が揃っています。
1.多機関連携チームが集える部屋:観察室あり。
2.文化的多様性への配慮:日本語を話さない子どもたちへの通訳提供、聴覚障がい児への手話通訳提供等を検討中。
3.司法面接の実施:司法面接室あり。司法面接者2名
4.被害者支援アドボケイトの派遣:可。アドボケイト2名
5.系統的全身診察の実施:診察室あり。診察医2名
6.カウンセリング・心理療法・精神療法:可。セラピスト2名
7.ケース検討:可。
8.ケースのフォローアップ:可。
9.健全な組織運営:資金不足。
10.子どもを中心に置く配慮:あり。




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プロフィール

byhfs

Author:byhfs
はじめまして。byhfs ( byh )と申します。
2015年の夏に、摂食障害と診断され、仕事を休職しています。
摂食障害の原因は、過去の母親からの虐待と過干渉でした。
摂食障害だけでなく、うつ、対人関係の悩みや、引きこもり、フラッシュバックなどの虐待後遺症を抱えています。多重人格にもなってしまいました。
そんな虐待後遺症を克服するために、日々もがいていることをブログに書いています。
よろしくお願いします。

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